リノベーションで使える補助金
Subsidy for Renovation
知って得する
補助金活用術
国や自治体が推進するリノベーション
Renovation promoted by national and local governments
リノベーションを検討する際、お得にリフォームができると嬉しいですよね。検討してほしいのが補助金の活用です。補助金には国や自治体などが主体となっています。空き家対策、中古物件の販促など、国や自治体が推し進める政策と連動して、様々な補助金が用意されています。どんな種類があるのか、具体的な例を挙げていきたいと思います。
国が推奨する補助金
子育てエコホーム支援事業
断熱材の充填、エコ設備の導入、子育て支援の設備導入等で補助金を受ける事ができます。名前は“子育てエコ”となっていますが、リフォームの場合、どの世代の方も受ける事ができる補助金です。例えば、スペックを満たすキッチンや浴室のリフォームを行った場合、下記のような項目が対象となります。
キッチン周り
- 節湯水栓
- 掃除しやすいレンジフード
- 自動調理機能のついたコンロ
- 自動食洗器
浴室周り
- 高断熱浴槽
- 節湯水栓
- 浴室乾燥機
- 浴槽入口の幅拡張【廊下幅拡張】
- 段差解消【開口部】
また下記対象になる場合、補助金額の上限が拡張されます。
- 子育て世帯・若者夫婦世帯になる場合
- 長期優良認定を受ける場合
- 既存住宅購入後、リフォームを行う場合
- 物件売買後3か月内に請負契約が必要など諸条件あり
- 当社お勧めの断熱材を使用してリノベーションした場合、通常上限20万円になるケースがほとんどです。
詳細については、専用ホームページもしくは、当社まで直接お問い合わせください。
先進的窓リノベ事業
断熱性能を上げるために、国が力を入れている補助金です。
既存住宅の省エネ化は、国が進める脱炭素や地球温暖化対策の大きな課題となっています。一番熱損失の大きい窓の対策を行う事で、既存住宅の省エネルギー化はもちろん、ヒートショックや、冬場の室温が低い事による病気の予防など、医療費の削減にも効果があると言われています。
既存住宅において熱の逃げが大きいのは窓と言われています。アルミサッシ、単層ガラスの場合は、窓に断熱効果がほとんど無いと言われています。スペックを満たした、内窓設置や外窓交換を行う事で、室内温度を保つ効果を発揮します。それにより、光熱費の削減効果も期待できます。
補助金の額ですが、外窓の交換、内窓の設置において、サイズやその性能に応じて、1枚あたりの補助単価を決めています。その合計200万円を上限として補助金が支給されます。
○内窓の設置
内窓とは既存窓の内側(室内側)につける窓の事です。既存窓の交換の際は撤去が必要となりますが、内窓設置は既存を活かして工事を行うため、工事が容易かつ、費用を抑える事が可能です。
例)内窓Sランク
樹脂サッシ+LOW-Eペアガラス+アルゴンガス入り
大(掃き出し窓) | 68,000円/枚 |
中(腰窓) | 46,000円/枚 小(中以下の窓) |
小(中以下の窓) | 29,000円/枚 |
○外窓交換
外窓とは、外部に面している窓を差します。既存の窓を撤去してつけたり、窓位置の変更で壁の部分に窓を設置したりする場合に適用されます。工法が2種類あります。
はつり工法とはサッシ外枠から交換する方法で、外壁をカットする必要があります。そのため、外壁の大工工事や塗装などが必要になります。
外窓とは、外部に面している窓を差します。既存の窓を撤去してつけたり、窓位置の変更で壁の部分に窓を設置したりする場合に適用されます。工法が2種類あります。
一方カバー工法は、既存窓の外枠に新しい窓の外枠をはめる事で、大工工事をせずに入替が可能な工法です。既存枠に新しい枠をはめるため、従来の窓より、ガラス面積が小さくなります。
はつり工法
カバー工法
外窓(はつりAランクの場合 複合サッシ+ペアガラス+アルゴンガス入り)
大(掃き出し窓) | 92,000円 |
中(腰窓) | 69,000円 |
小(中以下の窓) | 46,000円 |
フルリノベーションで外窓交換を行った場合、60万円~120万円ほどの補助金を受ける方が多いです。
内窓を併用する場合は、工事金額も下がりますが、補助金額も30~50万円程度になる方が多いです。
開け閉めの多い窓は外窓交換を行い、小さい窓や、使用頻度の少ない窓に関しては、内窓を採用するなど、状況に合わせて組み合わせて、うまく活用する事をお勧めします。
先進的窓リノベ事業
給湯省エネ事業
2023年から始まった補助金です。エコキュート、ハイブリッド給湯器、エネファームに対して補助金が支給されます。
その中で最も多く採用されているのがエコキュートです。エコキュートは登場以来、省電力でお湯を作る事ができる画期的な給湯器として、今も人気があります。電気温水器の場合、電熱を使って給湯をするのですが、電熱は大きな電力を消費するため、熱効率が非常に悪いです。一方エコキュートは、エアコンと同じように熱交換器にて外気の熱を取り込んでお湯を沸かします。エコキュートの中でも、一定の基準(トップランナー制度対象機器)をクリアしたものに対して補助金が交付されます。
エコキュート
80,000~130,000円
ハイブリッド給湯器
エネファーム
そのほかに、エコキュートとエコジョーズ(ガス給湯器)を組み合わせたハイブリッド給湯器やガスから水素を作り、空気中の酸素と化学反応させ発電を行う、エネファームなども本補助金の対象となります。
自治体が行う補助金
自治体が行う補助金も並行して活用する事ができます。地方自治体によって制度は異なりますが、事例をいくつか挙げていきたいと思います。
耐震に関する補助金
耐震診断に関する補助金
いわゆる調査に関しての補助金の場合、昭和56年5月31日以前、いわゆる「旧耐震」と呼ばれる建物に対して補助が出るケースが多いです。診断への補助金ですが、自治体によっては全額補助というところもあります。生駒市の場合は、限度額2万円となります。 奈良市の場合は、無料での耐震診断士の派遣という制度がありますが、募集件数が限られています。また耐震診断後の改修設計に対しても最大9万円の補助があります。
耐震補強工事に対しての補助金
補助を受ける場合、下記のような要件を満たす必要があります。
- 耐震診断の結果、耐震基準を満たしていないと判断されたものであること
- 構造評点1.0未満の木造住宅を1.0以上の数値となる改修工事を行う事(木造の場合)
補助額ですが、奈良市の場合、限度額50万円、補助率1/3となります。
※2024年奈良市の耐震改修補助金を参照 耐震診断、改修に関しては、需要や消費者の危機感が強い事、自治体の予算が大きくないなど、早期に無くなるケースが多いため、注意が必要です。
耐震に関する補助金
浄化槽設置整備事業
下水の無い地域において、合併処理浄化槽と呼ばれる、トイレだけでなくすべての生活排水を浄化層内できれいにし、近隣の小川や水路へ放流する浄化槽を設置する場合の補助金です。以前の単独浄化槽や、汲み取り式の場合、トイレ以外の生活排水が河川に放流されるため、水質汚染の大きな原因となっており、改善のため合併処理層を入れる際の補助金を交付している自治体があります。
下水の無い地域が基本となるため、補助対象のエリアが決められている事がほとんどです。申請予定地の地図や所在地を確認して、役所へ問い合わせをしてみるのが確実です。処理能力(~人槽)によって補助額が異なりますが、30万円~60万円程度の補助金が目安となります。
景観維持のための補助金
奈良市内の“ならまち”や明日香村など伝統的な景観を維持するために建物の色や屋根を瓦にするなど制限を行っているエリアに対して、交付される補助金です。景観を統一するための制限を行う代わりに、改修費用に対して、補助金を行うというものです。主に塀や屋根、外壁など、外観に関するものに対して補助金が交付されます。
奈良市の場合、限度額800万円、補助率1/2のためかなり大きな補助が受けられます。そのため、役所との事前相談は必須となるため、検討されている方は早めにご相談いただく事をお勧めします。
景観維持のための補助金
移住に関する補助金
空き家バンクの利用による物件取得
地方自治体が管理する、いわゆる“空き家バンク”に登録されている物件を、空き家バンクを通じて売買のやり取りを行う場合、その経費の一部を補助する制度を設けている自治体があります。空き家バンクを利用する際は、買い手側も自治体に利用登録を届け出る必要があります。届け出ないと、物件見学等もできない自治体もありますので、移住したい自治体が決まっている方は登録されることをお勧めします。
移住政策を積極的に行っている明日香村を例に記載致します。
※2024年当時のものですので参考として頂き、詳細は自治体にお問い合わせください。
奈良県明日香村の場合(2024年度)
- 仲介手数料の補助
- 物件を売買する際、不動産屋さんの仲介手数料が発生します。
- おおむね物件価格の3%+6万円(1000万円の物件の場合、36万円+税)となります。
- その一部に補助金が出る制度です。買い手は10万円まで補助金を受ける事が可能です。
- リフォーム工事助成金
- 5年以上居住する事を前提に、リフォーム費用の1/2を助成してくれる制度です。
- 上限は200万円となります。
- 1000万円規模のリノベーション工事となった場合、満額を助成してもらう事が可能です。
他にも住宅ローンを使用して移住する場合、利子の2%(上限20万円)や古民家を商業利用する際の改修費用などの助成金も準備されています。 他の自治体に比べてかなりお得に移住、リノベーションが可能です。
※2024年度 明日香村の場合
番外編
介護保険を利用した住宅改修
補助金ではありませんが、介護保険を利用したバリアフリー化、トイレやお風呂の改修工事が可能です。段差の解消、手すりの設置、開き戸から引き戸にする、床材をやわらかくする、浴室の床をすべりにくいものにするなどが対象となります。
条件としては、介護認定を受ける必要があります。要介護度にかかわらず、20万円まで利用が可能で、原則自己負担は1割となります。つまり20万円の工事にたいして、18万円の支給があるという形です。
こちらは保険制度のため、国の予算等は関係がないため、いつでも申請が可能です。原則1人1回のみの利用ですが、転居や介護度合いが3段階以上あがると、再度利用が可能です。利用できないケースもありますので、まずは工事開始前に工務店やケアマネージャーに相談するのをお勧めします。
介護保険を利用した住宅改修
減税制度
リフォーム行った場合、受ける事ができる減税制度があります。所得税や固定資産税、贈与税などがあります。各制度に適用要件や対象工事があります。工事を検討されている方はこちらもご活用を検討ください。
補助金の探し方
住宅リフォーム推進協議会のホームページから探す
リ推協と呼ばれる、一般社団法人にて運営されている団体のホームページです。ここに住宅リフォームに関する補助金について纏めているページや各自治体の補助金制度について検索するシステムがあります。こちらを活用して調べてみてください。
国の補助制度はこちら
各自治体の補助金制度の検索
自治体の情報誌を確認する
各自治体が発行する情報誌に補助金制度や、新たに設置された制度などが記載されています。自治体の情報誌は定期的にチェックされることをお勧めします。
工務店へ相談する
日頃から補助金や助成金を活用している工務店も多々あります。申請が複雑になっているため、慣れている工務店に依頼されることをお勧めします。