持病がある人は住宅ローンが組めないの!?
「住宅ローンという商品は、債務者(ローンを借りた人)が、死亡した場合、その時点でロー ンを払わなくてもよくなる。」ということは、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
しかしながらこれは、住宅ローンには、死亡時ローンが無くなる機能が付いているというわけではなく、住宅ローンを借りる時に、併せて「団体信用生命保険」という生命保険に加入するこ とが原則強制されているからなのです。
つまり、債務者(ローンを借りた人)が死亡した場合、団体信用生命保険がローン残高分の死亡保険金を金融機関に支払ってくれるので、結果として住宅ローンは全額返済したことになります。 お金を貸している金融機関は、お金を回収でき、お金を借りている我々は、働き手が亡くなっ た後にローンを支払う必要がなくなる。つまりお互いにメリットがある訳で、現在の住宅ローン は、この団体信用生命保険の加入が前提となっています。
逆の言い方をすれば、団体信用生命保険に加入することができなければ、住宅ローンを借りる こともできない、ということになります。 問題は、この部分です。団体信用生命保険は、一般の生命保険に比べて、審査基準が甘いと言 いながら、そこは生命保険。不健康な人でも加入できるのか?と聞かれれば厳しい場合もありま す。
特に最近多いのが、「うつ病」を中心とした心の病気関連。 ストレス社会で、何かのきっかけで心のバランスを崩して、安定剤や睡眠薬の処方を受ける、 こんなケースも少なくありません。 この場合、団体信用保険に加入できない場合もあります。住宅ローンが借りられないのであれ ば、その時点で住宅建築の計画が進まなくなってしまいます。 もちろん、心の病も含めて、持病があれば全てダメなのかと言えば、そんなことはありません。
ケースによっては、団体信用生命保険に加入できる場合もあります。 また一言で、団体信用生命保険と言っても、引受会社によって基準がバラバラです。 金融機関によって利用している保険会社も違うので、「A銀行はだめでもB銀行ではよかった。」 という例も少なくありません。
また、最近では、引受条件緩和型団体信用生命保険(ワイド団信)という商品もあります。
これは、カーディフ生命保険、クレディ・アグリコル生命保険株式会社などが販売している商品で、一般の団体信用生命保険より、引受基準を緩和していますから、金利の上乗せがあるものの加入しやすいのが特長です。お近くの金融機関で取り扱っているところがないか、確認しておくのも必要なことでしょう。