快適な空間は人によってかなり違う~体感温度には室温だけでなく , 壁の表面温度が大きく影響します~
皆さま、こんにちは 横尾です。高田公園の桜 も見頃も終え、ようやく春らしい季節になってき ました。季節の変わり目は、体調を崩されてしま う方も多いですので、お出かけの際は充分気をつけてくださいね。
今月号から、しばらく断熱や省エネルギー性に ついて、お話をしていこうと思います。
今回は、「体感温度」についてお話をさせてい ただきます。最初にお断りをしておきますが、体感温度と言っても、実際には個人差があるので、 一般論としてお話していきます。
例えば、まったく同じ家があったとして、同じ 広さのリビングで室内が 20°Cに保たれていたとし ても、体に感じる温度はかなり違いがあります。 同じく室温が 20°Cに保たれていたとしても、なぜ か寒く感じる家もあれば、とても温かく感じる家 もあります。
これは、なぜでしょうか?
同じ条件の室温 20°Cに保っているのに、体が感 じる温度が違うのです。体感温度というのは、以下の式で表されます。
つまり、分かりやすくいうと体感温度というのは、室温だけではなく、床・壁・天井の表面温度(=輻射温度)によって影響されます。
床・壁・天井の表面温度から伝わる熱は、放射熱というものにあたります。この放射熱が、体感温度
に影響を与えます。(式‐①)
ちなみに体感温度における冬の推奨温度は、18°Cから 20°Cです。
つまり、上の図面をご覧になられて、分かると思 いますが、室温は同じ 20°Cですが、床、壁、天井 の表面温度には差があります。それらを、最初の式 -①にあてはめると、体感温度は、15.4°Cと 19°Cの 差がつきます。
つまり、高い断熱性能レベルの家を 建てるということは、体が感じる体感温度がとても 高くなって、快適に感じるということです。
皆さまも、経験があると思いますが、アパートや 古い家で暖房をつけているのに、足元が冷えてたり、 寒く感じたりすることは、体感温度が低く、不快に 感じているからです。
家の断熱を語る上で、人間が感じる体感温度は決 して無視することのできない、大切な評価基準の 一つになります。