住宅購入後の税金 ・ 維持費はどれくらい? 2

前回は、不動産取得税についてお話ししました。 少し複雑な計算でしたが、結論としてはそれほど恐れることはないという話でしたね。今回は固定資産税についてお話ししていきましょう。固定資産税とは、毎年1月1日に土地や家屋といった固定資産を所有している人に市町村が課する税金です。ですから、住宅を購入すれば、その住宅 に住んでいる期間は必ず払わなくてはいけません。 固定資産税の計算の方法は、原則として以下のようになります。

固定資産税の計算
税額=課税標準 ×1.4%( 標準税率 )※ ※標準税率は市町村によって異なる場合があります。
うーん。分かりづらいですよね。そもそもこの課 税標準って何でしょうか? この課税標準とは、市町村に登録されている、固定資産税課税台帳上の固 定資産税評価額です。
つまり、土地や建物の価値が 基準となって税金が計算されるということになるのです。
では、土地 1,200 万円と建物 1,800 万円、合計で 3,000 万円の物件を購入した場合の固定資産税はど うなるのでしょうか?
3,000 万円 ×1.4%=42 万円となり、固定資産税 は 42 万円なのでしょうか? 実はこれがややこしいのですが、「購入時の価格イコール固定資産税評価額」 にはなりません。
これは、前回の不動産取得税でも 説明したのですが、固定資産税評価額はあくまでも 固定資産税を算出するために市町村が算出している ものだからです。一般的には、土地は購入額の 60% ~ 70%、建物は購入額の 50%~ 70%程度が相場です。
では仮に、土地 1,200 万円 ×70%=840 万円、建 物 1,800 万円 ×70%=1,260 万円とした場合は、
2,100 万円 ×1.4%=29.4 万円となるのでしょうか? 年間に 30 万円弱の税金の請求が来ることになれば家計的には結構な痛手ですよね! さすがにこんな税金にはなりません。なぜなら、住宅用地には特例 があるからです。 200 m²以下、つまり約 60 坪以上の住宅用地であれ ば、評価額を 1/6 にできるという特例です。
先ほどの例で考えるなら、840 万円 ×1/6 ですから、 140 万円になります。
つまり、
土地 140 万円+建物 1,260 万円 =1,400 万円 ×1.4% =19.6 万円
となるのです。
それ以外に、平成 28年3月31 日までの新築住宅には、一般住宅であれば 3 年間、長期優良住宅であれば 5 年間は、評価額が半額になります。
仮に購入した家が長期優良住宅であれば、最初の 5 年間は、建物部分は 1,260 万円 ×1/2=630 万円と なり、おおよそ次のようになります。
土地 140 万円+建物 630 万円 =770 万円 ×1.4% =10.78 万円
となります。
ただし、建物の価値は古くなっていけば年々評価 は下がっていきます。そうすれば、特例期間が終わ る 5年後には 1,260 万円の建物評価額が 1,000 万円 前後に
減額されていますから、約 16 万円となります。 固定資産税は賃貸暮らしには発生しない税金ですから、家計の支払い枠に入っていないご家庭も多い と思います。
是非このような点についても考えてみ てはいかがでしょうか。 次回は住宅維持費について考えていきましょう。