今、 どうして住宅ローン金利が低いのか?

市場最低と言われている住宅ローン金利。この機会に住宅をお考えの方も多いのではないでしょ うか? そうですよね。
ご存知の方も多いでしょうが、 住宅ローンを組む上で最も重要なのは「金利」です。例えば 2,500 万円の住宅ローンで、金利が 1%あがると 35 年間で返済する金額が約 450 万円 増えます。
実は、頭金をどれだけ貯めるのか?ということ よりも「いかに金利を低く借りられるか」の方が ずっと大きな問題なのです。
ということは、金利が低い今がお買い得。ということになるのですが、こういう話をすると
「もう少し待ったほうがもっと金利が下がるんじゃないの?」と考える方もいるのではないでしょうか?
もちろん、金利がこの先どうなるか?誰にも予 測出来ることではありません。もう少し待った方 が得することもあるかもしれません。
しかし、そんな分からない将来を闇雲に想像し ていては何も始まりません。 重要なことは「どうして今、金利が低いのか?」 ということなのです。
現状住宅ローン金利が低いことには大きく2つの要因があります。 1つは「長期金利の低下」です。住宅ローンは 主に長期金利の動向に影響を受けます。長期金利というのは、ご存知の通り 10 年物国 債の金利。要するに国の借金の金利です。この 10 年物国債の金利が低下しているのが、 住宅ローン金利が低下する一番大きな要因なのです。では、どうしてこの 10 年国債の金利が低下し ているのでしょうか? 実はこの国債金利の低下は、日銀 ( 日本銀行 ) によってつくられている現象なのです。 詳しい説明をしてもややこしくなるのですが、 簡単に言えば日銀があえて政策的金利を下げてい るのです。 しかも最初から「ずっと出来る政策ではありま せん」と宣言をして始めているものですから、い つか終了します。
この日銀の政策で、試算で 1%弱10年物国債の 金利は下がっていると考えられていますから、この政策が始まってからのこの2年間は、日銀のお 陰で 1%弱金利が低くなっているのです。
言い方を変えると、この政策が終了すれば 1% 弱金利が上がることも考えられます。 この政策があとどれだけ続くかは分かりませ ん。日銀は「2%物価が上昇するまでは」と宣言 していますが、本当に 2%物価が上昇するまで出 来るのだろうか?という議論も出てきているようです。
もう1つの要因は、住宅ローン金利の優遇幅の拡大です。 皆さんが借りる住宅ローン金利は、実は店頭表示金利から優遇金利を差し引いたものだということをご存じない方が意外と多いようです。金融機関は、お客様確保のためにお得感を出さ なくてはいけません。 そのお得感を演出するために、優遇金利という 仕掛けをつくっているのです。
私たちが借りる住宅ローンの金利を適用金利と いいます。 この金利は、店頭表示金利から優遇金利を差し 引いて出てきた数字です。
問題はこの優遇金利です。たとえば、三菱東京 UFJ銀行の場合では、2010 年 8 月から 2011 年 10 月までの約1年間で 1%も優遇幅が拡大されま した。
この原因はフラット 35 の金利優遇制度が始まっ たことを引き金に消費増税の駆け込み需要を取り 込もうと銀行が金利引き下げ合戦を行ったからで す。
その結果すでに銀行は、住宅ローンでは赤字だと言われています。消費増税が終われば、ローンを借りる人も減りますから銀行も力を入れて住宅 ローンを借りる人を取り込もうともしないでしょ う。 そうすれば、この優遇幅を戻すかもしれません。
今は大きくこの2つの要因が重なって出来ている低金利です。問題はこの低金利がいつまで続く かですが、それを予測することは出来ません。 ただこれ以上の金利の低下はそれほど期待出来ないかもしれません。
是非これから住宅購入をご検討されるご夫婦は、 10 年で完済出来る資金計画を組んだ場合、いくらまでの住宅ローンなら可能なのかという計画を立てることをオススメします!