『猛暑の今年、エアコンについて、いま一度考える』

皆さん、こんにちは。連日の猛暑が続いて、体調崩されていませんか?この原稿を書いている時点で、上越の最高気温が40℃を超えました。もう、お風呂の中にいるみたいですね()

こんな時はエアコンが欠かせません。最近、『エアコンが壊れたらどうしよう・・・』と本気で心配したりします。猛暑にエアコンが壊れたりすると、命に関わる話になりますので、エアコンについて色々お話をしてみたいと思います。

 

今回は、皆さんからよく質問される項目をまとめてみました。

Q1.室外機のメンテナンスは必要ですか?

エアコンの室外機は、外に設置することを前提につくられているので、特別なメンテナンスは必要ありません。汚れていたら掃除をして、ファンなどに雑草・鳥の巣などが絡まっていないか点検して頂ければ十分です。ただ、室外機およびその周辺の環境には気をつける必要があります。

メーカーの設置基準では、室外機の左右と、上面方向のクリアランス(建物などの壁から離す距離)は厳しく定められています。新たに設置する場合は、当然取付業者もプロですからクリアランス寸法は守られていますので、設置に関してはあまり気にしなくても良いと思います。

気をつけて欲しいのは、室外機の前に植木鉢を並べたり、室外機に日陰をつくるために葦簀(よしず)などで覆ってしまうことです。室外機の中では熱交換作業を行っていて、夏の場合、廃熱をしています。室外機前面に、暑くなった熱風を捨てているので、ここに物を置いてしまうと熱のこもった空気の行き場がなくなって、冷房の効率が一気に下がってしまいます。室外機の前には物を置かず、風通しが良い状態にしてください。

 

 

Q2.何畳用のエアコンを付ければ良いんですか?

『大は小を兼ねる』・・・そう思って、大きめのエアコンを付けようと考えている方が多いのではないでしょうか?残念ながら、エアコンの場合はこの考えは非常に勿体ない事になります。

まずエアコンのカタログに記載されている『●●~●●畳用』という記載は、昭和50年代中頃の東京の住宅を参考にされているものです。ちなみに、記載されている小さな畳数が木造住宅、大きな畳数が鉄筋コンクリート住宅になります。

つまり、これから新しく家を建てられるのであれば、当時よりははるかに断熱性能が良くなるため、新しい家の性能でエアコンの必要な大きさを決めてあげないと勿体ないことになります。

では、その部屋にあった必要な大きさのエアコンは、どの様に選定すれば良いのでしょうか? 

一般的なエアコンの大きさの決め方は、『リビングが20畳あるから、余裕を持って23畳用にしておこう』・・こんな決め方ではないでしょうか?

 

エアコンが大きくなれば、購入価格も劇的に高くなりますし、消費電力も多くなります。なので、これから家造りを考えている方は、きちんと計算をして正確なエアコンの容量を決めてください。 

家の持つQ値・断熱性能・サッシの性能・換気性能・その空間の体積、これらの数値を用いて少し難しい計算を行います。(興味がある時は、見学会でお声がけください!)

弊社の住宅性能ですと、23畳のリビングに設置するエアコンは14畳用で十分になります。本体価格の差で¥15万円以上価格差がありますので、どうしても押さえておきたいポイントです。

ちなみに、『余裕を持って大きなエアコンを設置して、弱風で運転しておけば省エネになるんじゃないの?』そんな疑問を持つ方もいるかもしれません。残念ながら、エアコンはトロトロ運転は苦手なのです。大きなエアコンが出力を絞って運転することは、得意ではないのです。

しっかりした計算を行えば、無駄な大きさのエアコンを入れることなく、導入コストもランニングコストも下げることが出来ます。

 

Q3.省エネのエアコンは、どうやって見分ければ良いの?

エアコンメーカー各社さんは、必ず『省エネエアコン』と謳っていますので、どれが一番省エネなのか分かりにくいですよね。

エアコンだと消費電力が分かりにくいですが、皆さん、車だといかがでしょうか?『リッター●●㎞』走ります・・・こんな説明を受けると、とっても分かりやすいですよね。

実はエアコンの場合も、車の燃費と同じような指標があります。

『実効COP(通年エネルギー消費効率)』 →車で言う実燃費と考えてください。

実効COP(通年エネルギー消費効率)の数値が大きいほど、電気の消費が小さくて大きな仕事をしてくれるエアコンです。例えば・・・・

・7年前の6畳用エアコン・・・実効COP=3.8

・最新の6畳用エアコン・・・・実効COP=7.0

なんと最新の省エネエアコンは、一昔前のエアコンの約1/2の電力で冷暖房の仕事をしていることになります。これからエアコンを選ぶ方は、『実効COP』の数値を気にして購入することをお勧めします。実効COP=5.0以上のものを購入すると良いと思います。

ちなみに、どこを見れば分かるかというと・・・・ 

エアコン本体を真下からのぞいた部分にあるラベルに、実効COPの数字が書いてあります。もちろんカタログにも表記してありますので、そちらでご確認されるのが間違い無いと思います。

今回はエアコンの冷房のお話しでしたが、暖房に関してはもっとディープな世界になってきます。それについてはまた別の機会に。

それでは、また次回お会いしましょう!