『消費税10%になって建てた方がお得なのかも?』(その1)

 皆さん、こんにちは。あれだけ暑かった夏も過ぎて、急に寒さが厳しくなってきましたね。長期予報では、今年は比較的、雪が少ないとのこと。雪国なので雪は仕方ないですが、災害になる様な積もり方はしてほしくはないですね。


 さて今回は、国が検討している、消費税10%アップ後の景気落ち込みの対策(住宅に関して)についてです。今、『8%の時に家を建てた方がいい?』・・・と悩んでいる方にとって、とっても重要なお話になります。


 この対策制度に関しては、政府が検討を始めたばかりなので確定事項ではありませんので、その点は注意してご覧ください。今現在、政府が検討しはじめたのは以下の3点です。

1. 住宅ローン減税の変更(現在、 3つのパターンが考えられている)

2. 住宅エコポイントの復活

3. 住まい給付金の制度見直し

結構多くの議論がされていて、なおかつ、実際に有効的なものが多く驚きました。

では、1つずつ説明していきます。おさらいですが、現行の住宅ローン減税は、以下の様な仕組みです。

住宅ローンを組んで家を建てた方に、所得税と住民税の一部を10年間にわたって、年末調整で還付。

1.住宅ローン減税の変更・毎年末の借入残高(¥4000万を上限)の1%を上限に、所得税・住民税の一部を還付。分かりやすくいうと、工事費用¥4,000 万円以内の年末残高で、1%の¥40万円までの還付を受けられる可能性があり、これが10年続く。(ただし、所得税・住民税の一部が、この額以上あることが前提)・・・というものでした。

消費税10%後の変更については、以下の3パターンが検討されています。

 ①ローン残高の引き上げ:現行¥4000万円→¥5000万円への引き上げ。

②税控除率の引き上げ:現行1.0%をさらに引き上げていく。

③控除期間の変更:現行10年→15年への延長。

この3つのうち、どのパターンが一番、効果=皆さんのメリットがあるのでしょう か?


➀と➁については、 あまり効果は得られな い ・ ・ ・と思います。
その理由として、

①については・・・30 代の4人家族の方がお家を土地から購入さ れる場合の平均借入額は、約¥3400万円で、 最も多い借入額は¥2000万円~¥3000 万円といわれています。私どものお客様でも、¥2500万円前後の借入が平均的なので、ローン残高の額が¥5000万円に引き上げても、 恩恵を受けるのは一部の富裕層に限られてしまうからです。

②については・・・①と同様に、控除率を1.2%に引き上げても、 所得税と住民税がその引き上げ額に見合わなければ、そもそも控除額は変わらなくなってしまいます。
 

ということで、住宅ローン減税の見直し で一番効果が期待できそうなのは
ローン減税の期間を10年→15年へ延長 する案です。

概算の計算になりますが、以下のケースで 計算すると・・・
●¥2500万円の借入、全期間固定金利1.25%、35年返済、12月から支払い開始

➀今までの10年間の控除額:およそ¥199万円

➁検討されている15年間の控除額:およそ¥266万円

①と②の差額、およそ¥65万ほどが、 今までより多く減税で還付されます。
 

ここで住宅ローンは¥2500万円の借入ですが、土地代(¥600万円として)には消費税は存在しませんので、工事費その他¥19 00万円の消費税増額分(2%)=¥38万円になります。

2%の消費税増額分:¥38万円 < ローン控除延長の増額還付金:¥65万円


 となる可能性もあります。もちろん、決定事項ではないので、絵に描いた餅程度・・・ として読んでほしいのですが、ローン控除が5年延長されただけでも、ケースによっては 十分に消費税アップ分を補うことは可能な気がします。

次回は続きで、

2. 住宅エコポイントの復活

3. 住まい給付金の制度見直し

上記の残り 2 つの対策についてお話しさせ ていただきます。

それでは、また次回お会いしましょう!