『暖かい家に暮らすと、どれくらい健康になるのか?』(その3)
皆さん、こんにちは。暖かくて穏やかな日が続いていますが、残念ながらコロナウィルスの影響がとても甚大になってしまいました。
皆さんのお仕事だけでなく、お子様の学校にも影響が出ていますね。早く収束することを祈るばかりです。
さて、前々回、前回からの続きで、暖かい家は経済的だけではなく健康にも良いですよ・・・というお話しの3回目です。
前回のおさらいですが、JSB(日本サステナブル協会)が、国土交通省と厚生労働省の監修の元、具体的な『数字(温度)』を発表しました。まとめると・・・
■ 血圧を下げる温度 ・・・室温20℃以上
■ 健康診断の結果に好影響 ・・・室温18℃以上
■ 疾病傷害で通院しにくくなる ・・・床面の温度15℃以上
■ ヒートショック事故が起きにくい温度・・・脱衣所の温度18℃以上
というものでした。3回目の今日は、上記をクリアする家を造るには、どうしたら良いのか?というお話をしてみたいと思います。
真冬に、リビングの室温20度以上、脱衣所の室温18℃以上がひとつの目安になりますね。
もちろん、灯油・ガス・電気をたくさん使えば、暖かさをキープできるのは間違いありません。でも、それだと毎月の灯油・ガス・電気代が大変高額になって、家計を圧迫してしまいます。
また、高価な循環式換気システムを使えば、リビングの暖房を各所へある程度送り込むことが可能なので、家の中の温度は安定します。ただ、循環式換気システムの導入費用が高額
なのと、ダクトホース内のカビの発生等のメンテナンスの問題
が発生します。
高価な循環式換気システムや床暖房システムを使わずに、家の中の温度を安定させるには、家の基本的な断熱構造を高める事が一番です。
現代の住宅において、断熱材を使用していない家はありません。ただ、もう少しだけ気を使ってあげれば、驚くほど家の基本性能は高まります。もちろん、高額なシステムを使わなくても、これは可能なことなのです。(=価格を抑えることが可能です。)
この様な事を書くと、断熱材は●●メーカーの▲▲、サッシは●●メーカーの▲▲・・・を具体的に記載していくと思われがちですが、そういった意味ではありません。
◎どんなメーカーの断熱材やサッシ、換気システムでも構いません。また、どんな断熱施工の方法でも構いませんが、以下の手順を守ってください。
➀『性能の基準値を知ること』
➁『家の性能を数字化すること(計算する事)』
➂『計算された数値を、公的機関・第三者機関で証明してもらうこと』
ここで➀の『性能の基準値』となる上位3つを記載・説明します。
<1位>:民間団体基準 ヒート20のG2グレード・・UA=0.34以下
<2位>:民間団体基準 ヒート20のG1グレード・・UA=0.48以下
<3位>:国 ZEH基準・・UA=0.60以下
これから家づくりをする皆さんは、必ず上記の『ヒート20のG1グレード』以上をクリアした家にしてください。何故ならば、『ヒート20』の規定には、省エネ性能も厳しい基準があるのですが、『室内で感じる体感温度』の基準も厳しく定められているからです。
例えば、『ヒート20のG1グレード』の家は、下記の基準を満たしている家になります。
■冬期間の全時刻・全室の室温は、
・15℃を下回る空間が、家全体の20%程度以下。
・家の中で10℃を下回る場所があってはいけない。
なので、住宅会社さんに、必ずその家のUA値を計算してもらい、上越地域ではUA=0.48以下の家になっていることを確認してください。(これが、上記➁に該当します。)
そして、必ず公的機関や第三者機関によって、証明書を発行してもらってください。(これが、上記➂に該当します。)
とっても残念なことですが、住宅業界はエビデンス(証拠)を示す・・・という概念が、まだまだ遅れている業界です。『当社の建物は、●●工法の家だから暖かいですよ!』というセリフを良く耳にしますが、必ずエビデンス(証拠)をもらってください。
上記の➀~➂をしっかり確認をすることできれば、高額な装置を使わなくても、リビングが20℃を下回ることもないですし、脱衣所を18℃以上にすることも難しい事ではありません。暖かい家は、健康寿命を延ばす大切な家づくりです。
それでは、また次回お会いしましょう!