『夏対策の窓を真剣に考える!』
皆さん、こんにちは!6月に入って、急激に暑い日が続くようになりました。この原稿を執筆している今日(9日)も、朝から暑いです(笑) 弊社の事務所は、とても古くて(大家さん、ゴメンナサイ!)、東西に窓が大きくあるので、朝日と夕日で悩まされています。
さて、冬の寒さも問題ですが、夏の暑さも気になります。近頃の夏は、36℃以上になる日も多く、ひと昔前では考えにくい高温です。陽差しも、もはや痛さを感じます。
住宅に目を向けると、断熱材・遮熱材・気密・窓(サッシ)の性能が重要になってきますが、今回は『 窓(サッシ)』についてフォーカスを当ててお話ししたいと思います。
ショッキングなお話しですが、どんなに高性能なサッシを取り付けても、断熱性能は壁の『1/10(10分の1)』程度しかありません。冷静に考えたら、所詮ガラスですから当然なのですが・・・。
ですから、『サッシの性能を過信しないこと!』が重要です。トリプルサッシでも、冷気は感じますし、強い陽差しが入れば暑くもなります。
皆さんがこれから家造りを考える時に、以下の項目を気にして頂くと良いと思います。
➀窓の数を多くしすぎない。
➁夏の日射を考慮して、東面と西面の窓は小さめにする。
➂南側の窓は、大きくしても良いのだが、何らかの工夫が必要。
上記の➀は、コストにも好影響がありますので、不必要な窓は減らすようにしましょう。
上記の➁は、夏の太陽の稼働時間に原因があります。夏至の日の太陽は驚くほど早く昇り始め、驚くほど遅く沈んでゆきます。朝と夕方の太陽はとても角度が低い位置にいますので、東西の窓だけでなく、場合によっては北側の窓からもガンガンと日射が侵入してきます。
今日、お話ししたいのは、➂の『南の窓には何らかの工夫が必要』という所です。
少し難しい話をすると、ドイツのパッシブ研究所が制定したパッシブハウスの概念を使っています(今日は、そこまで難しく話はしませんので…。)
南の窓には、夏と冬では相反する効果が求められます。
(1)真冬の南の窓
太陽の高さが低い位置にいるので、陽差しがリビングの奥まで入って来やすくなります。
この特性を利用して、太陽の光を冬の暖房に利用します。50cm*50cmのガラスから入り込む光は、ドライヤーの500Wの力に相当するので強力です。なので、ガラスのコーティングも『遮熱』ではなく、熱を逃がさない『断熱』のコーティングを使用します。
【冬の陽差しの入り方のイメージ図】
(2)真夏の南の窓
当然、真夏の太陽は暑くて要らない(笑)ので、工夫をしないといけません。ガラスも、冬の暖房のことを考え、入ってきた熱が逃げないよう『断熱』のコーティングが使われています。やはり、真夏の南側の窓には工夫が必要です。
真夏の太陽は、高い位置にあるので、陽差しが直角に近い入り方になります。この特性を利用すると・・・・庇を付けてあげると、とっても効果的です。2階の南側の窓でしたら、下記の図のように屋根の庇の量を計算でコントロールする事ができます。
【夏の陽差しの入り方のイメージ図】
でも、1階の窓は、屋根の庇が利用できないケースが多いので、『窓の上に独立した庇を付ける』か、『アウターシェードという外用のロールスクリーン』を付けても良いかもしれません。費用は¥3~5万前後/箇所ですので、効果は抜群ですが少し高めですね。
【アウターシェードの外観】
【サッシ用の庇の外観】
もっと安く効果を出す方法があります。1階の窓の上に、グリーンバー(YKK)などのアルミバーを設置します。これは、1万円/本程度なので、あまり高くありません。そこに、皆さまがよく知っている『すだれ』を吊したり、『朝顔』や『ゴーヤ』などのグリーンカーテンを育てれば、完全に夏の陽差しをシャットアウトしてくれます。
もう少しお洒落にしたい方は、このアルミ製のグリーンバーに、キャンプの時などに使う『タープ』や『クールシェード』がお薦めです。値段も¥2000~4000円/枚位なので財布に優しいです。安くて、お洒落で楽しめそうでしょ。効果も抜群です!
【クールシェードの外観】
注意して欲しいのは、屋根の軒の出の長さや、庇の長さは、太陽の角度や窓の大きさ・設置箇所毎に、きちんと計算しなければいけませんので、詳しい話を聞きたい方はいつでもお声がけください。
それでは、また次回お会いしましょう!
早めにエアコンを付けて、エアコンの点検もしてくださいね!